”アプリから自社サイトへのリンクを可能にする”というApp Storeの新規約:Spotify CEOは「解決への一歩だが不完全であり、明確で公正なルールが必要」

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Appleが、先週9/1にアナウンスした「日本の公正取引委員会によるApp Storeの調査が終結」。

来年にはリーダーアプリケーションのデベロッパは、ユーザーがアカウントを設定または管理できるように、アプリケーション内に自社ウェブサイトへのリンクを含めることが可能になるアップデートを行うとしています。

リーダーアプリケーションの定義にはデジタル版の雑誌、新聞、書籍、オーディオ、音楽、ビデオの購入済みコンテンツまたはサブスクリプションコンテンツを提供するものを含みます。

Appleは、この対応により、App Storeでの問題が解決したことをアピールしたいことが伝わってくる内容ではありますが、これを受けてのSpotifyのDaniel Ek CEOの反応はこちら。


これは正しい方向への一歩ですが、問題を解決するものではありません。アプリ開発者は、すべてのアプリに適用される明確で公正なルールを求めています。私たちの目標は、競争を根本的に回復させることであり、恣意的で利己的な一歩一歩ではありません。私たちは真の解決策を求めて活動を続けます。
「apple’s proposed settlement does not address anticompetitive app store practices(Appleの和解案は、非競争的なApp Storeの慣行に対応していない)」という以下の図表をツイートしているのは、Spotifyのグローバルアフェアーズの責任者兼最高法務責任者であるHoracio Gutierrez氏。


Time to Play FairとSpotifyのクレジットが入っている、この比較表では、Appleの新しい方針とオープンアプリマーケット法を比べていて、Appleの新規約では「アプリ内課金システムの利用を必須にすることを禁止」「アプリの内外を問わず、デベロッパがユーザに対して行うコミュニケーションを制限することを禁止」「Appleがデベロッパの重要なビジネス情報を盗み、競合することを禁止」「Appleの自己裁量でのバン」「Appleはデベロッパに対して、プログラミングインターフェイス、開発情報、ハードウェアおよびソフトウェアの機能へのアクセスを平等に提供することを強制」という点が解決されていないとしています。

この件、一般ユーザーのほとんどは自分には関係のないことで、単にあのAppleに喧嘩を挑んだSpotifyがどうなるか?くらいの興味しかないかもしれませんが、自分たちが支払っている価格/サブスクの30%はAppleの収入になり、Appleが提供している各種サービスと競合するサードパーティにとっては、かなり不利な条件でサービスを提供しないといけないので、長い目で見ると良質なアプリ/サービスが出てくることを阻害する要因にもなるのではと僕は考えています。

実際、Apple MusicとSpotifyという比較においても、Apple Musicの使いにくさを感じる部分も多くあり、Spotifyだけでなく、他の音楽ストリーミングサービスにも期待したいです。

今回Appleがアナウンスした「アプリケーション内に自社ウェブサイトへのリンクを含めることが可能になるアップデート」が適用されれば、ある程度、不平等さは解消されるかもしれませんが、全てを解決することにはならないため、今後もユーザーが見守っていくことが重要だと思います。

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