この映画は映画館の大きいスクリーンで観たいと思っていたのですが,結局タイミング合わず,見逃していました。
Navy SEALsのスナイパー,クリス・カイルの話で,良い意味で現役/退役軍人を尊重する国,アメリカではもちろんヒーローです。
ただ,この映画はヒーローが活躍するアクションではなく,戦争のいろんな側面を表現することに成功していて,考えさせられる事が多いです。
最初の注目ポイントはクリント・イーストウッド監督作品である,という事だったのですが,脚本,キャスティングを含む製作をほぼ完了した段階で,イーストウッドに監督を打診したという流れだったとのことでした。(iTunes Extraの特典より)
なので,「ミリオンダラー・ベイビー」「グラントリノ」あたりのイーストウッド監督テイストを期待すると,少し物足りないのですが,肌感覚の近いリアルな映像と音の絶妙なバランス感覚は共通したものがあります。
この映画の主人公はアメリカの伝説の狙撃手なのですが,見終わってみると,主人公が「悪だ」と言う側の反政府ゲリラの味方をする市民の痛みも,帰国を待ちわびる家族の心の痛みも,さまざまな傷を負った退役軍人の痛みも感じていることに気がつきます。
実のところ,アメリカ国内においても「遠くから狙撃するという戦い方はフェアではない」「ヒーローと祭り上げるのは誤りだ」という意見もあるのですが,逆に,狙撃手を使う戦略によって多くの仲間を救ったという事も事実です。
対する反政府ゲリラ側にも優れた狙撃手がいて,それが元オリンピック選手だったりもするわけで,こうやって並べてみれば,結局生まれた場所(国)が違うだけであって,同じチームであれば仲良くもできたんだろうなとも思います。
戦争っていうのは,人にこんな影響も与える最悪の選択肢の一つだと思う一方で,愛国心と頑強な身体をもっている一般市民が,現実的な職業として軍隊を選ぶことも,一つの選択肢でもあります。
いろんな視点から考えが膨らむ映画。
というか膨らみすぎるかもなのですが,くどいシーンがあるわけではなく,印象的で強烈なシーンが巧みに綴られている秀作。
意外に長尺で2時間強あるのですが,見終わってから気がついたくらいでした。
アカデミー賞を逃したのは残念でしたが,それは,この映画の多様性によるものなのだろうなと思います。
一貫してヒーローという事でも無く,戦争を肯定するわけでも無く,反戦ムービーというわけでも無い。
おそらく,ポリティカルな立場が明確で,シンプルに言い切れる意見を持っている人ほど,どう受け入れたらいいのかが解らなくなる映画じゃないでしょうか。
そう考えると深すぎる内容です。
多民族国家で多様性を尊重するアメリカであっても,ここまでの多様性は一般的には受け入れられない,ということかな。
そういう意味でも興味深い映画でした。
USでは71.5%がレーベルに。海外は平均73%との話です。
さらにアグリゲーター経由で契約している場合にはタイミングが変わってくる可能性あるので,一回整理した方がいいかな。
Apple Watchスポーツバンドと同じカラーのワイアレス・イヤホンが発売。
まあ,ボクも蛍光灯やLEDの青い光は苦手だな。デスク回りは,疲れないように暖色にしています。