Omdia曰く、今後のOLED市場はタブレットではなく、ラップトップ/ノートブックが主戦場になる

市場調査会社Omdiaのカンファレンスで、今後のOLEDパネル需要予測について、タブレットよりもラップトップ/ノートブックで採用が進む見込みと予想が出ています。

現行のiPad ProはミニLED。OLEDでの性能向上は間違いなし?

これは3月14日にソウル・良才(ヤンジェ)で開かれた「2024韓国ディスプレイカンファレンス(上半期)」において、市場調査会社Omdiaのカン・ミンス上級研究員が述べたもの。

OLEDサプライヤー市場の背景としては、タブレット市場はAppleが独占している状況にあることもあり、他社があえてOLEDパネルを採用することは見込めないが、ノートパソコン市場はApple、デル、ヒューレット・パッカード(HP)、レノボ、アスースなど複数の企業による競争になっていて、このため、他社製品との差別化のために、積極的にOLED採用が進められ、さらに昨年から大きなトレンドになっているAIの搭載が進むことを考えると、消費電力や応答速度などの性能はLCDよりもOLEDが優れているため、”今後のIT OLED市場展望をタブレットとノートパソコンに分けると、ノートパソコン市場のOLED需要はタブレットのそれを上回るだろう”と述べています。

この発表の前日の3月13日、Omdiaのチョン・ユンソン常務は「AIノートパソコンは消費電力が高い」「PC企業は消費電力で有利なOLEDの採用を増やすことができる」「(ノートPCが)AIなど高度な仕様に変わると、消費者は高価格で購入できるメリットが必要になり、OLEDはプレミアムな薄型ディスプレイに対応できる。リジッドOLEDから始まり、その後、ノートPC用OLEDの採用は急速に増えるだろう。」と述べています。

Apple製品のOLED採用予測についても触れていて、

・2024年にiPad ProがOLEDに変わると、ミニLEDを除くLCD iPadのラインナップは、再びAirのラインナップに置き換わる
・2028年にはiPad AirもOLEDに変わると予想される
・iPad Airには1スタックのOLEDが採用され、iPad Proには2スタックのタンデムOLEDが採用
・サムスンディスプレイとLGディスプレイが今年出荷できるiPad OLEDの量は約900万台
・2026年に7-8インチの折りたたみ式iPhoneをリリースすると予測
・低温多結晶シリコン(LTPS)TFT OLEDを搭載したiPhone SE4が来年発売
・来年後半にはiPhone 17シリーズ4機種すべてにLTPO TFTが採用されれば、アップルはiPhoneラインナップの差別化も迫られるだろう
・モジュールやFace IDをディスプレイの下に隠すアンダーパネル技術は開発が遅れている
・当初2024年に適用を予定していたアンダーパネル技術の適用は2027年にとどまる

という点が挙げられていました。

ミンス上級研究員は、7-8インチの折りたたみタイプの新製品が投入されれば、iPad miniとの相乗効果や差別化が狙える、という話もしていますが、この辺はサプライヤー筋の希望的観測を含んだ想像に近いものという印象です。

なお、折りたたみタイプの製品ということでは、Ming-Chi Kuo氏が折りたたみタイプのApple製品のロードマップ予想(開発スケジュールが明確なのは20.3インチのMacBookのみ)を出しています。

これもOLEDになるかは不明ですが、数年後はさらにOLEDが一般的になることは間違いなさそうなので、OLEDではない可能性の方が低いように思います。

ただ、今年以降、OLED需要が急速に拡大するかどうかは、今月にもアナウンスされそうなiPad Pro OLEDの売れ行きに左右されるのかなと思います。

正直、高すぎると販売数は多くならないように思うんですが、どうなりますかね、、。




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