魔法を失ったAppleに何があったのか:改良版Siriは「秋」に出るかも
トランプ関税により、株価の乱高下に見舞われたAppleですが、NYTの記事では、すでに投資家の一部は、Appleの新製品開発がうまく進まず、”どういうわけかその魔法を失ってしまったのではないかと疑って”いて、株価は今年最初の4ヶ月間で8%下落し、S&P 500の下落率の2倍となっていると書いています。
What’s Wrong With Apple? – The New York Times
満を辞して発売された仮想現実ヘッドセット「Vision Pro」の売上は期待外れであり、「Apple Intelligence」の目玉機能も期待ほどの効果がなく、その一部の機能は延期されています。
この原因について、十数人のApple従業員(元、あるいは、現在も在職中)は、大企業によくある政治的対立、リソース節約や適切な配分が行われていない、人材流出という問題を挙げています。
AI開発において、最初のつまづきは2023年初め。
開発チームトップは、ニューラルネットワーク構築に不可欠なGPUの増設を求め、承認されたものの、財務責任者は増設予算を半分にし、既存のチップを改良製造するように指示。このため、AI開発チームはGoogleやAmazonのデータセンターと交渉することになったようです。
さらに、Siriの新機能の開発の主導権争いが行われ、結果的にそれぞれが一部を担当するということに。
また、過去に注目の製品やOSを開発した経験のあるスタッフがいなくなり、製品開発の経験が少ないリーダーだけが残されている状況で、最終的に経営判断を行うTim Cook CEOは”長年、製品開発に関して明確かつ直接的な指示を出すことに躊躇してきた”と語られています。
なお、明るい話としては、改良版Siriは「秋にリリースされる予定」という話もあります。
この改良版Siriは話しかけるだけで、写真を編集したり、友人に送信したりできるバーチャルアシスタントになります。現状のApple IntelligenceもAI機能は楽しめますが、これらはWWDCで大きくアピールしていた機能なので、かなり重要といえます。
改良版Siriは、2026年になるというのが大方の予想ですが、今年秋のiPhone 17シリーズに間に合うのなら、ギリギリ間に合った感もあるかもしれません。