アプリストア市場の独禁法裁判:Epic GamesがGoogleに勝訴

おっと、Epic GamesがGoogleに勝訴。まだ連邦地裁ですが。

スマートフォンを中心としたアプリストア市場はGoogleとAppleが独占している状況ですが、今後風向きが変わる可能性が出てきました。

via:アップルにも影響必至、グーグル敗訴でアプリストア市場揺らぐ可能性 – Bloomberg

Epic Gamesがアプリストア市場を実質的に独占しているGoogleとAppleを相手どり訴訟(Epic Games vs Apple関連記事)を起こしていますが、今回、カリフォルニア州の連邦地裁において、Googleが独占禁止法に違反しているとして敗訴した形になりました。

以前、2021年にはAppleを同様の裁判が行われましたが、この時はAppleが勝訴。この裁判では判事1人による判決となっていて、今回は陪審員裁判でした。

今回の判決は連邦地裁によるものなので、Googleが上訴すれば続く可能性もありますが、陪審員裁判で市民の意思が示されたことは、今後の動きにも影響を与えそうです。

Appleのアプリストアも、Googleのアプリストアも、スマートフォンが発売される前までには無かったシステムであり、そのプラットフォームを作り上げたAppleやGoogleがサードパーティのアプリを販売するときに利用手数料を徴収するのは当然とも言えます。しかし、その料率が永遠に30%、あるいは、両社の都合の良い割合にいつ設定されてもおかしくない状況というのは消費者利益という視点からは疑問にも思います。

なお、日本においては、今年2023年の6月に「モバイル・エコシステムに関する競争評価」の中で、AppleのApp StoreはApp Store 以外のアプリストア経由でアプリをインストールすること、又はウェブサイト経由で直接アプリをインストールすることができず、その結果:

・Apple 以外の事業者が iOS に関するアプリストア事業に参入する機会が失われる
・App Store における手数料に競争圧力がない
・App Store におけるアプリ審査が必ずしも透明で公正でない
・それによるイノベーション阻害のおそれ

という問題点を指摘していて、日本としては「サイドローディング」の義務化に向けて取り組みが進められています。

これらの取り組みは、日本だけのものではなく、EUが先に進めていて、また、韓国でも2021年にアプリ内課金方法が強制することを禁止しています。が、競争原理としてはあまり機能していない様子。

アプリストアにおける競争原理が適切に働く仕組みの構築は、世界的な取り組みになっていきそうに思います。

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