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クック氏、最後の決算コールでも「100年に一度の洪水」–iPhone・Mac・iPadは年末にかけ品薄に


💬再び、Cook CEO「100年に一度の洪水」発言アゲイン。値上げフラグじゃないことを祈るばかり。所感続き↓

Appleが、2026年度第3四半期(4〜6月期)の決算を発表。売上高1,094億ドル、前年同期比+16%という、6月期として過去最高の数字が並びました。

ただ、決算コールの中心にあったのは好調な数字そのものより、ティム・クックCEOが繰り返し口にした「供給制約」の話。今回がクック氏にとって最後の決算コールでもあり、年末商戦を前にした在庫の見通しについて、踏み込んだ発言がありました。

Tim Cook氏が語った供給制約——Apple決算コールのイメージ

Apple 2026年度第3四半期(4〜6月期)の決算発表のポイント

  • 6月期は過去最高の決算。ただしクックCEOの発言時間は供給制約の説明に多く割かれた
  • 制約の原因はサプライヤー側ではなく、iPhone・Macの需要が予想を上回ったこと
  • 9月期(7〜9月)はiPhone・Mac・iPadの3製品で制約がさらに拡大する見通し
  • メモリ価格の高騰を「100年に一度の洪水」と表現。Mac・iPadはすでに値上げ済み
  • 在庫を前年の倍近くまで積み増して備えているが、繰越在庫による相殺効果は今後縮小
  • DRAM調達先の分散を検討中だが、価格改善につながるかは不透明とクック氏本人が説明
  • 9月期の増収率は+9〜11%に減速する見通し。決算後は株価が下落
  • クック氏にとって最後の決算コール。9月1日付でジョン・ターナス氏がCEOに就任

26Q3決算そのものは記録的な数字を達成

2026年第3四半期の決算は数字だけ見ると、文句なしの内容です。
売上高は1,094億ドルで前年同期比+16%、純利益は298億ドル、EPSは2.02ドルで前年同期比+29%。iPhoneは542.5億ドル(+22%)、Macは103.5億ドル(+29%)と、いずれも6月期として過去最高を記録しています。

一方でiPadは61.9億ドルで前年割れ、Servicesも307億ドル(+12%)とアナリスト予想には届きませんでした。粗利率は50.1%で、ここには関税還付による押し上げ効果も含まれています。

CONFIRMED — ソース: via Apple Newsroom、 via MacRumors、 via AppleInsider

  • 売上高:1,094億ドル(前年同期比+16%、6月期として過去最高)
  • 純利益:298億ドル/EPS:2.02ドル(同+29%)
  • iPhone:542.5億ドル(+22%)、Mac:103.5億ドル(+29%)
  • iPad:61.9億ドル(-5.9%)、Services:307億ドル(+12%、予想未達)
  • 粗利率:50.1%(関税還付による押し上げ効果を含む)

供給制約の原因:クックCEOが語った「需要の読み違え」

クック氏がこの決算コールで繰り返し強調したのは、今回の供給制約が通常のサプライヤー起因の問題ではない、という点。iPhoneとMacの需要が想定を大きく上回ったことで、Appleのチップに使う先端プロセスの確保が追いつかなくなっている、と説明しています。

6月期はMacを中心に、iPhone・iPadにも一部制約が出ていた状態。9月期はこの影響がさらに広がる見通しで、クック氏自身「供給網の柔軟性がここまで低い状態は例年にない」と述べています。

CONFIRMED — ソース: via MacRumors

  • 制約の原因はサプライヤー側ではなく、Appleの需要予測を超えた強い製品サイクルだとクック氏は説明
  • 9月期はiPhone・Mac・iPadの3製品すべてに影響が拡大する見通し
  • 供給網の柔軟性の低下が、通常の需給調整を難しくしている

ただ、この説明をそのまま受け取っていいかは意見が分かれます。
Appleのチップ製造は、TSMCの先端ノード(3nm)に依存していて、このラインはNVIDIAやGoogleのAI向けチップとも取り合いになっている状態。サプライチェーン筋からは、Appleの好調な決算は需要の強さというより、先端半導体の慢性的なキャパシティ不足として読むべきだという見方も出ています。

クック氏自身、1月の決算コールでは3nmプロセスの供給がその期の制約要因になっていると名指ししていました。TSMC依存体質を見直す動きもあり、IntelやSamsungへの製造委託を検討しているとの報道もあります。CNBCの取材に対しては、この状況を「difficult」「消費者にとって良くない」と表現しており、決算コールでのトーンとは少し温度差があります。

REPORTED — ソース: via Tom’s Hardware、 via CNBC・Apple一次情報ではない

  • TSMCの3nmラインはAI向けチップとの取り合いで業界全体が逼迫(サプライチェーン筋の観測)
  • クック氏は1月の決算コールで、3nmプロセスの供給自体を制約要因として名指し
  • Apple社内でIntel・Samsungへの製造委託を検討中との報道
  • クック氏はCNBC取材で状況を「difficult」「消費者にとって良くない」と発言

メモリ価格急騰と「100年に一度の洪水」

クック氏は、メモリ価格の指数関数的な上昇を「100年に一度の洪水」と表現。この表現自体は6月頭の外部インタビューですでに使われていたもので、今回の決算コールでも同じ言葉をそのまま繰り返しています。

MacとiPadの値上げについては、本意ではなく仕方なく行ったと説明。値上げの判断基準についても、利益率だけを見ているわけではなく、販売台数・売上・利益率の3つを長期的な視点で総合判断していると述べました。

CONFIRMED — ソース: via MacRumors、 via Mac Observer

  • メモリ価格の高騰を「100年に一度の洪水」と表現
  • Mac・iPadの値上げは本意ではないと明言
  • 価格判断は利益率単独ではなく、台数・売上・利益率を長期視点で総合判断

Appleの対処:在庫積み増しと調達分散

9月期の決算資料では、棚卸資産が111億ドルと、前年9月期末の57億ドルからほぼ倍増していることが明らかになっています。供給逼迫を見越した事前の積み増しとみられる数字。

この繰越在庫と、メモリ以外の部品コスト低下によって、9月期の影響は一定程度相殺できる見通し。ただし、この相殺効果は9月期以降縮小していくとCFOのケヴァン・パレク氏が説明しています。

もうひとつの対応が調達先の分散。現状DRAM市場は3社体制で、クック氏は供給元が増えれば供給面の改善にはつながるとしつつ、価格面の改善につながるかは不透明だと述べるにとどめました。「あらゆる選択肢を検討している」という以上の具体策は、この時点では語られていません。

CONFIRMED — ソース: via TechCrunch、 via 9to5Mac

  • 棚卸資産:111億ドル(前年9月期末57億ドルからほぼ倍増)
  • 繰越在庫・非メモリ部品のコスト低下で9月期は一部相殺、ただし効果は今後縮小
  • DRAM調達先の分散を検討中。価格面の改善効果は不透明

年末商戦にかけて:品薄はここからが本番ということに

9月期(7〜9月)のガイダンスは、前年同期比+9〜11%の増収見通し。6月期の+16%から大きく減速する数字です。供給制約に加えて、為替も2.5ポイントの逆風になる見込みで、粗利率も47〜48%への低下を見込んでいます。

クック氏は「供給制約の影響は今後さらに拡大する」と明言しており、これは9月期にとどまらず、年末商戦にかけての店頭在庫にも波及する可能性がある発言。決算発表後、株価は時間外取引で6%超下落しました。

なお、この決算発表はTim Cook CEOにとって、最後の大きなイベントになる見込み。9月1日には新たにジョン・ターナス氏がCEOに就任します。

CONFIRMED — ソース: via CNBC

  • 9月期の増収率見通し:+9〜11%(6月期の+16%から減速)
  • 為替:2.5ポイントの逆風、粗利率は47〜48%へ低下見込み
  • 決算後、株価は時間外取引で6%超下落
  • 9月1日付でジョン・ターナス氏がCEOに就任

💬 軽めインプレ所感

さて。Cook CEOの「100年に一度の洪水」という表現は、6月頭のインタビューが初出。その後、Mac,iPadの価格がぐんと上がりました。それほど、上手い比喩とも思えないけど、この決算でも同じ表現が出ていたので、またすぐに「ぐんと」価格が上がるんじゃないかと戦々恐々。

あと、「サプライヤーのせいじゃなくて」というのは、わざわざ発言する必要があったんですかね。2026年の状況的にはパーツが奪い合いになっていることは事実だし。
付き合いの古いサプライヤーがプレッシャーを受けているから、Appleとしても少し寄り添うよ、というメッセージ?

「値上げは本意じゃない」というのはユーザー・投資家のリアクションが想定よりも大きかったことへの反応かとも思われます。まあ、正直高いっすよ。日本市場は世界的には安いんだよ、なんていう人もいるけど、インフレ絶好調のUS事情と比べてもねえ、、。比べるなら、それぞれの国の可処分所得(中央値)の何%に相当するのか?という比べ方をしてほしいものです。

ちなみに米国勢調査局(Census Bureau)が2025年9月に発表した「post-tax household income」の中央値は72,330ドル。iPhone 17 Proは1,099ドル。つまり、米国において、一世帯あたりの可処分所得の中では、iPhone 17 Proは1.5%にすぎません。日本の可処分所得データは公表されていないんだけど、US一般世帯よりもかなり重い負担割合というのは間違いないはず。(周辺データでざっくり計算してみたら、5.8%でした。体感ではもっと重いけど。)

いずれも、これまでのCook CEOらしからぬ発言。
いや、実はこの姿勢が本来のCook氏かも。最後の決算発表ということもあって、パーソナル配慮も全開にしたコメントにしたのかも、と思いました。まあ、外れていたらごめんなさいですけども。

さて、年末に向けてiPhone,Mac,iPadは品薄になる可能性は、かなり大きくなってきました。ていうか、値上げはどうなるのか?この辺はまだ、色々試しているようですが。

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