昨日の記事でDRAMショーテージの全体像を書いたのですが、Mac製品への影響がより具体的な形で現れ始めているようです。
Mac miniとMac Studioの高RAMモデルがAppleのUSオンラインストアから姿を消し、Mac Studioでは最大RAM構成の廃止と値上げが実施済み。Bloombergのマーク・ガーマン氏もこの状況を取り上げており、DRAM不足がMacラインに与える影響は「始まり」に過ぎない可能性が出てきました。

Mac製品への影響:ポイント
- 2026年4月11日、Mac miniの32GB・64GB構成、Mac Studioの128GB・256GB構成が米国Apple Storeで「現在ご利用いただけません」に
- Mac Studioでは2026年3月に512GB RAM構成を廃止。同時に96GB→256GBのアップグレード価格が1,600ドルから2,000ドルへ25%値上げ
- Tim CookはiPhone利益率への影響を認め、2026年Q1にはさらなる影響が出ると1月の決算で発言
- ガーマン氏によれば、Mac miniとMac Studioは2026年半ばにM5チップへの更新が予定されており、在庫消化との区別が困難な状況
- MacBook UltraはOLED・タッチスクリーン搭載で価格が約20%上昇する可能性があるとガーマン氏が指摘
Apple Store USで在庫消滅の背景
2026年4月11日、AppleのUS StoreではMac mini(32GB・64GBモデル)とMac Studio(128GB・256GBモデル)が「現在ご利用いただけません」となり、納期の見通しも示されない状態になったと伝えられています。この状況には2つの見方があり。
ひとつはDRAM不足による供給制約。
2026年Q1のサーバーDRAMは前四半期比90〜95%上昇という記録的な値上がりとなっていて(TrendForce)、PC向けDRAMも100%超の上昇が予測されています。Appleはすでに3月にMac Studioの512GB RAMオプションを廃止し、同時に256GBアップグレードの価格を25%引き上げました。
もうひとつはモデルチェンジ前の在庫調整。
ガーマン氏はMac miniとMac StudioにM5チップ搭載モデルが2026年半ばに登場すると報告していて、6月のWWDC前後が有力視されています。モデル切り替え前に高RAMの旧モデルが品薄になるのはAppleが過去にも見せたパターンともいえます。
The Next Webの分析によれば、この2つは「どちらか一方」ではなく同時に起きている可能性が高い。DRAMコスト高騰で高RAMモデルを維持しにくい状況と、モデルチェンジのタイミングが重なっているということですね。
DATA
- Mac Studio 512GB RAM構成:2026年3月に廃止(旧価格4,000ドル)
- Mac Studio 256GB RAMアップグレード:1,600ドル→2,000ドルへ25%値上げ(同時実施)
- 2026年4月11日:Mac mini 32GB・64GB、Mac Studio 128GB・256GBが米国Storeで在庫切れ
- Tim Cook発言:1月決算でメモリ価格上昇のiPhone利益率への「minimal impact」を認め、Q1はさらに「a bit more of an impact」と予告
- PC向けDRAMの2026年Q1上昇予測:前四半期比100%超(TrendForce)
Macの価格はどうなるか:ガーマン情報と市場の見立て
価格上昇の圧力は複数の方向から、というのが気になりますね。
まずコンポーネントコストの増加。Bloombergの報道によれば、AppleはすでにApple Store経由で販売されるサードパーティの外部ストレージ製品の価格が急騰していることを把握していて、ガーマン氏はこれを「AIデマンドの直接的な影響」と位置付けています。SanDiskの4TBドライブはほぼ500ドルから1,200ドルへ、1TBモデルは120ドルから360ドルへと跳ね上がった事例が報告。Apple自身が価格を設定しているわけではないものの、市場の実勢として無視できない水準になってきています。
次にM5 Mac Studioの価格見通し。
Macworldの分析では、M5 MaxモデルはデフォルトSSDが1TBスタートになることでエントリー価格が1,999ドルを超える可能性があると指摘。MacBook Proがすでに同様の方針(M5 Max搭載モデルで2TB SSDをデフォルトとし3,599ドルスタート)を採用していることが根拠とされています。
さらに注目度が高いのがMacBook Ultraの価格。
ガーマン氏は2026年3月のPower Onニュースレターで、OLED・タッチスクリーン搭載の新型上位MacBookを「MacBook Ultra」と呼び、AppleがiPhone X(2017年)やiPad Pro(2024年)でOLED採用時に約20%の値上げを行ったことを引き合いに出した上で、同程度の価格上昇の可能性があると述べています。現行MacBook Proの最上位が4,999ドル前後であることを踏まえると、MacBook Ultraは6,000ドル超のレンジになるかもしれません。
一方で「DRAM不足に対するAppleの耐性は他社より高い」という評価も変わっていません。
CounterpointリサーチはAppleとSamsungを「最も対処能力がある」と位置付けており、Tim CookもDRAMコストの影響を「管理可能な範囲」と示唆しています。ただし、その「管理可能」の水準自体が2026年を通じて試され続ける状況になりそうです。
💬 軽めインプレ所感
タッチパネルタイプの新OLEDディスプレイ搭載予定の新型MacBook Pro、Mac StudioのアップデートあたりもDRAMが足りないので延期になるみたい。とはいえ、必要のないタッチパネルタイプのMacBook Proは見送りかな。ていうか、6000ドルなので、今の為替水準で96万円になります。どうもありがとうございましすた。
Mac miniとMac Studioの高RAMモデルが軒並み在庫切れになったという事実は「在庫調整かDRAM不足か」ということと同時に、Appleが高メモリ構成を絞り込みつつあるということかもしれませんね。
なお、Mac Studioを狙っているユーザーは、M5待ちが正解だと思います。でも、待った結果として、スペック以上に価格も上がっているという可能性はかなり確定的になりますね。考えどころです。
- The Next Web – Mac mini and Mac Studio go out of stock(2026年4月)
- Bloomberg – AI Chip Manufacturing Demand Creates Historic Shortage(2026年3月)
- Bloomberg – AI Boom Driving a Global Memory Chip Shortage(2026年2月)
- MacRumors – Apple Planning ‘MacBook Ultra’ With Touchscreen and Higher Price(2026年3月)
- Macworld – Mac Studio 2026: M5 Max & Ultra release date, price, specs & RAM shortages
- MacRumors – DRAM Shortage Will Cause ‘Seismic Shift’ in Smartphone Market, But Apple Will Be Less Affected(2026年2月)






