AppleとIntelが、Appleデバイス向けチップの一部をIntelが製造する予備的合意に達したと、Wall Street Journalが報じました。協議は1年以上に渡って続けられ、数ヶ月前に正式な合意へと発展したとされています。

Apple x Intel:今回の合意のポイント
- IntelがAppleデバイス向けチップの一部を製造する予備的合意が成立
- 対象チップは現時点では非公表。Mac/iPad向けM系の下位モデルが有力候補との見方
- IntelはあくまでFab(製造)担当。チップ設計はAppleが引き続き行う
- 背景にTSMC依存リスクの分散と、米国内製造強化という政治的文脈
- Trump大統領がWhite HouseでTim CookにIntelの活用を直接働きかけていたと報じられている
- 株式市場ではIntel株が約+15%、Apple株が約+1.7%上昇。TSMC株は約-1.2%下落
AppleがIntelを選んだ背景
Appleにとって今回の動きは、供給制約への現実的な対応策であると考えられます。
直近のQ2 2026決算でTim Cookは「先端ノードの確保が現在の最大のサプライチェーン制約」と明言していて、Mac miniやMac Studioの供給に実際の影響が出ていました。
これまでAppleはTSMCとの独占的な契約と大量発注によって強い交渉力を持っていましたが、GoogleやNvidiaなど他の大手テック企業が高性能チップの大量発注でTSMC枠を押さえるようになり、Appleが圧迫される構図になっています。
IntelはAppleシリコン移行後も、2021年ごろから「Intel Foundry Services」として外部向け製造事業に転換する戦略を進めており、アリゾナ州に2つの製造施設を建設しています。IntelがAppleのARMベース設計をそのまま製造するという形であり、かつてのIntel設計チップとはまったく別の話です。
INFO
- 一次報道:Wall Street Journal(2026年5月8日)
- 先行報道:Ming-Chi Kuo(2025年11月)/Bloomberg(2026年5月4日)
- 最初の製造開始:2027年頃との予測(Kuo)
- iPhoneチップへの拡張:2028年以降との予測
- 対象製品:現時点では非公表。Mac/iPad向け下位M系が有力
- Intel製造拠点:米国アリゾナ州
💬 軽めインプレ所感
IntelとAppleは、ずっと協業関係が続いていましたよね。Intel Macというモデルまでは、Intelチップを使っていたわけだし。
その後、2020年のApple Silicon(M1)発表でIntelチップ採用を終了したけど、主な理由はパフォーマンス/電力効率でIntelが期待に応えられなくなったこと、Appleが垂直統合でチップ設計を内製化したことが理由とされています。
さらに、AppleはIntelのモデム部門を買収して、2025年登場のiPhone 16eに初搭載されたC1チップの開発に至っているわけで、最近の関係性も悪くないはず。
ただし、この実態は「IntelがAppleの設計でチップ製造を請け負う」という、ある意味でAppleがIntelを下請けにする構図ということになるので、主導権はAppleにあるとも言えます。
Appleがこの体制に舵を切るのはTSMCの枠不足が本当に深刻になってきた証拠かも。Mac miniの供給問題が表面化して、Tim Cookが決算で異例のコメントをしたのも、こういう動きに繋がっていたということになりそうです。
Trumpが直接Cookに働きかけていたというのもなかなか。日本ユーザーにとってはコスト増になるのかもしれないですけども。






