米労働当局、Appleの幹部が労働者の権利を侵害していると認定。和解がなければ訴状を発行するようです。

Apple製品リークをとがめていた、Tim Cook CEOのメールが再び注目されています。

Bloombergなどに、Appleの元上級エンジニアリングプログラムマネージャーの申し立てを審査していた米全国労働関係委員会(NLRB)は、アップルが幹部による発言や従業員に課した方針が労働権を侵害していると判断したという話が出ています。

NLRBによると、Appleの「様々な就業規則」は、従業員の労働権行使を妨害・強要する傾向があると認定して、”高級幹部を含むAppleによる発言や行動も全国労働関係法に違反していると主張する告発にメリットを認めた”とのこと。

これにより、Appleが和解しない限り、”委員会の地域ディレクターは、カリフォルニア州クパチーノを拠点とする企業に対して訴状を発行する”方針です。

この判断は、Tim Cook CEOが2021年9月に従業員向けに送ったEメールが参考材料になっていて、その文面は以下のものでした。

私は今日書いているのは、会議の内容が記者にリークされたのを見て、信じられないほどイライラしていた多くの皆さんから聞いたからです。製品発表会でも、発表内容のほとんどが記者にリークされた後で、このような事態になりました。

その悔しさを私も分かち合いたいと思います。このようなチームとしてのつながりの場は、本当に大切なものです。しかし、その内容がアップル社内にとどまるという信頼がなければ、うまくいきません。リークした人物を特定するために、私たちは全力を尽くしていますので、ご安心ください。ご存知のように、私たちは製品IPであれ機密会議の詳細であれ、機密情報の開示を容認していません。私たちは、リーク者が少数の人間であることを知っています。また、機密情報を漏らす人は、ここにふさわしくないということも知っています。

当時の状況やタイミングとしては、iPhone 13シリーズの発表前に色々な方面から結構な分量のリークがあって、発表イベントでは驚きよりも確認が多かったように思います。

なので、リークを防ぐために出したTim Cook CEOのメッセージは強い印象はしたけど、Appleとすればそりゃそうかなとも思いました。

ただ、このTim Cook氏のメール、送ったグループが問題視されているようで、このグループは製品のリークがテーマではなく、給与の公平性、在宅勤務、COVIDワクチン接種などに焦点を当てた会議の詳細を共有した従業員を対象としたものでした。

個人的には、え、そんな微妙なところで?というのも思ったのですが、どの記事もその部分を指摘していますね。米国の労働権について僕の理解が足りないのか、あるいは、ニュアンスが読み切れていないのか、記事内で触れていないポイントがあるのかは不明です。

なお、この判断はAppleで上級エンジニアリングプログラムマネージャーとして勤務していたAshley Gjovikさんの申し立てによるもの。
Gjovikさんは個人情報をリークした後、Appleの方針に違反したとされて解雇され、その後、従業員の性差別やハラスメントの状況に対するAppleの対応について批判したことで知られるようになったという背景もあります。

今後の動きとしては、NLRB検察官が出した訴状は行政法判事によって審査。その裁定はワシントンの労働委員会に上訴することができ、NLRBはAppleやその役員を罰することはできないものの、同社の労働政策を変更するよう命令することはできます。

和解して決着するのか、もっと大きな問題になるかはApple次第になりそうですが、どうなりますか。




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