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Apple Intelligenceの虚偽広告訴訟、2億5,000万ドルで和解。iPhone 15 Pro・16シリーズ購入者が対象

AppleがApple Intelligenceの主要機能を発表どおりに提供できなかったとして提起されていた集団訴訟(クラスアクション)が、2億5,000万ドル(約375億円)の和解で決着しました。2026年5月5日、カリフォルニア北部連邦地裁に和解の予備承認申立てが提出され、審問は2026年6月17日に予定されています。

Apple Intelligenceの広告と現実のギャップ——集団訴訟・和解のイメージ

Apple Intelligence集団訴訟のポイント

  • 2025年3月19日提訴、計8件の訴訟が統合されたクラスアクション
  • 「約束した機能が存在しない」として虚偽広告・不公正競争を主張
  • 和解総額は2億5,000万ドル(非返還型)
  • 対象はiPhone 15 Pro / Pro Max・iPhone 16全モデルの米国内購入者
  • 1台あたり基準25ドル、申請件数次第で最大95ドルまで増額
  • Appleは不正行為を一切否定、責任の認定もなし
  • 和解審問:2026年6月17日(予定)

経緯:Apple Intelligence広告と現実のギャップが訴訟に発展

Appleは2024年6月のWWDCで、パーソナライズ化された新しいSiriをApple Intelligenceの目玉機能として発表。iPhone 16の発売(2024年9月)に合わせて、「Game of Thrones(2016〜2019)」にも出演しているBella Ramseyさんを起用したCMを含む大規模な広告キャンペーンを展開しました。

しかし、2025年3月にAppleは約束した主要なSiri機能の延期を発表。この時に広告も削除しましたが、同月19日、最初のクラスアクション(Landsheft v. Apple Inc.)がカリフォルニア北部連邦地裁に提訴されました。

訴状は「AppleはiPhone 16の発売時点で存在しなかったAI機能を宣伝し、2年以上先まで実現しないかもしれない機能を購入理由として消費者に信じさせた」と主張。その後、同様の訴訟7件が統合され、カリフォルニア州法および全米38州の消費者保護法に基づく請求が行われました。

訴訟の詳細

CASE

ケース名 Landsheft v. Apple Inc.
ケース番号 Case No. 5:25-cv-02668-NW
裁判所 U.S. District Court, Northern District of California(サンノゼ)
担当判事 Judge Noel Wise
最初の提訴 2025年3月19日
統合件数 8件(Landsheft + 7件)
調停仲裁人 Layn R. Phillips(元連邦判事)
原告側弁護士 Clarkson Law Firm / Cotchett, Pitre & McCarthy / Kaplan Fox & Kilsheimer
和解日 2026年5月5日(予備承認申立て)
和解審問(予定) 2026年6月17日

和解の内容

SETTLEMENT

和解総額 2億5,000万ドル(非返還型)
1台あたりの支払い 基準25ドル/最大95ドル(申請件数により変動)
対象デバイス iPhone 15 Pro・iPhone 15 Pro Max・iPhone 16・iPhone 16 Plus・iPhone 16 Pro・iPhone 16 Pro Max・iPhone 16e
対象期間 2024年6月10日〜2025年3月29日(米国内購入)
申請受付 Notice Date(予備承認から45日以内)から90日間
申請に必要なもの 購入証明、シリアルナンバー、Apple ID情報、電話番号
精算管理 Verita Global, LLC(独立第三者)
Appleの立場 不正行為を否定。責任の認定なし

和解総額には弁護士費用・訴訟費用・管理コストが含まれるため、実際にクラスメンバーへ分配される金額(Net Settlement Amount)はこれを下回ります。1台あたりの支払いは申請件数が少ないほど増額され、最大95ドルとなります。

今後のスケジュール

SCHEDULE

  • 2026年5月5日:和解の予備承認申立て(完了)
  • 2026年5月19日:異議申し立て期限
  • 2026年5月26日:返答期限
  • 予備承認から45日以内:対象者へのメール通知開始
  • 2026年6月17日:和解審問(予定)
  • 通知日から90日以内:クレーム(申請)受付終了

別件訴訟:韓国国民年金公団による証券訴訟も継続中

今回の集団訴訟とは別に、韓国国民年金公団が主導する証券詐欺訴訟も進行中。
Siri機能の遅延がAppleの株価下落と数十億ドルの損失をもたらしたとして提訴されており、Appleは2026年2月に却下申請を提出しています。こちらがどういう形で着地するのかはまだわかりません。

💬 軽めインプレ所感

WWDC 2024の発表からiPhone 16発売まで、Appleが「新しいSiri」を大量広告で売り込んだのにも関わらず、それが実現できていないことは事実。訴訟の主張として「2年以上先まで存在しないかもしれない機能を宣伝した」という表現は、かなり手厳しいものです。

2億5,000万ドルという金額は決して小さくないものの、Appleの規模を考えると「訴訟リスクを処理するコスト」の範囲に収まる数字でもあり、Appleが不正行為を認めなかった点が和解条件としてバランスの取れたものという判断かと思います。

ユーザー視点で言えば、1台あたり最大95ドルは「騙された感」に対する補償としてはやや物足りない印象。ただ、WWDC 2026(6月)でGeminiを活用した新Siriが発表される見通しもあり、約束された機能がようやく動き出すタイミングで和解が成立したのは、なんとも皮肉な話ではあります。

この裁判・和解条件は米国内のユーザーにのみ適用されるもの。

ところで、なぜ日本ではこの手の裁判が起こらないのか。も気になります。僕は16シリーズは見送ったのですが、Apple Intelligenceの機能を期待して購入した方も少なからずいるはず。なぜ、日本でこの手の訴訟がないのかをClaudeに聞いたところ、以下のような事情があるとのこと。

日米の集団訴訟制度の違いを3つの観点で比較した解説

日米の集団訴訟制度の違いを3つの観点で比較した解説
結論:同様の案件が日本で起きても、消費者が取れる手段は消費者庁への申告や差止請求どまりで、金銭補償に繋がるルートはほぼない。制度として企業への抑止力が機能していないのが現状。

うーん、ここでも古い日本のルールが健全な裁判すら行えないという、一般ユーザー・庶民の不利益構造も垣間見れますね。こういうところも変わっていかないとなあ。

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