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Appleの2026Q2決算が強いですね。Ternus登壇、Neo即完売、そしてメモリコスト問題。
Appleは2026年4月30日、2026年度第2四半期(1〜3月期)の決算を発表しました。売上高は1,112億ドルと前年比17%増で、iPhoneの売上高・EPS・営業キャッシュフローのいずれも1〜3月期として過去最高を記録。そのカンファレンスコールでは、歴史的な経営トップ交代、MacBook Neoの即完売、そして深刻化するメモリコスト問題まで、数字の背後にある複雑な実態が語られました。

Apple Q2 FY2026 決算ハイライト
RESULT
| 売上高 | $111.2B(前年比 +17%) |
|---|---|
| 純利益 | $29.6B(前年比 +19%) |
| EPS(希薄化後) | $2.01(前年比 +22%)※1〜3月期として過去最高 |
| iPhone | $57.0B(前年比 +22%)※1〜3月期として過去最高 |
| Mac | $8.4B(前年比 +6%) |
| iPad | $6.9B(前年比 +8%) |
| Services | $31.0B(前年比 +16%)※過去最高 |
| Greater China | $20.5B(前年比 +28%) |
John Ternusが初登壇——CEO交代を正式に表明
今回のカンファレンスコールで最も注目を集めたのが、Tim Cookの後継者としてApple新CEOに就任予定のJohn Ternusが初めて登場したこと。Appleは4月20日に、Cookがエグゼクティブチェアマンに移行し、Ternusが2026年9月1日付でCEOに就任することを発表していました。
今回が89回目の決算コールとなるCook自身は、「15年間CEOを務め、28年間Appleにいる。今がトランジションのタイミングとして正しい」と語り、Ternusへの全幅の信頼を表明しました。
Ternus本人は「Timの信頼を受けてCEOに就任することは、この上ない名誉」と述べつつ、財務面での規律ある姿勢をCFOのKevan Parekhとともに引き継ぐと明言。さらに「私の25年のAppleキャリアの中で、今が最もエキサイティングな時期」とし、詳細には触れなかったもの、ロードマップへの自信をにじませました。
Cookはアナリストへのアドバイスとして、自身がスティーブ・ジョブズから受けた言葉を引いて「(後継者への)最も重要な助言は、どこに時間を使うかを自分で決断することだ」と語っています。
MacBook Neoが即完売、Mac miniもAI需要で在庫枯渇
Macカテゴリの売上高は$8.4B(前年比+6%)とプラス成長を記録しましたが、Cookは「供給制約がなければ、もっと売れていた」とコメント。
今四半期に満を持してデビューしたMacBook Neoは、発売後に在庫がすぐに底を突き、出荷待ちが数週間に達しました。またMac miniとMac Studioについても、AI用途での需要が予想をはるかに上回り、需給バランスが崩れた状態が続いています。Parekhは「Studioとminiの需給バランス回復には数カ月かかる見込み」と説明しました。
Appleは1〜3月期のMacで、「Macへの乗り換え」と「長期間使い続けていたユーザーのアップグレード」の両方で過去最高を記録。IDCの調査ではマーケットシェアも拡大しています。6月クォーターも引き続き、Mac全体に供給制約が見込まれています。
「Macはローカルで高度なAIモデルを動かせる、最良のプラットフォーム」というCookの発言は、MacBook ProからMac Studio・Mac miniに至るApple Silicon製品がAIワークロードの受け皿として急速に認知されているという認識を示しています。
DRAMショーテージはMac製品にも徐々に反映–Mac Studio値上げ済み、MacBook Ultraは20%高くなるかも
メモリコスト上昇が続く——6月以降もグロスマージンを圧迫
今四半期のプロダクト部門グロスマージンは、前四半期比で200ベーシスポイント低下しました。原因の一つは季節的なレバレッジ低下ですが、もう一つが深刻な問題——メモリコストの上昇です。
Cookは明確に「6月クォーターには著しく高いメモリコストが見込まれる」と警告。それだけでなく、「6月以降もインパクトは拡大する方向」と述べており、改善の見通しは語られませんでした。
また研究開発費は前年同期比34%増($8.6B→$11.4B)という急ピッチで増加しており、「R&DはApple全体の成長率をはるかに上回るペースで加速している」とCookは説明しています。AIへの投資を「通常の製品ロードマップ投資に上乗せする形で積み増している」という言い方も、コスト構造の変化を正直に示したものです。
メモリコストの高騰は、AppleだけでなくサムスンやQualcommも直面している業界共通の課題。ただしAppleの場合、iPhoneやMacが搭載するRAM容量をAI対応で引き上げてきた経緯があるため、影響が他社より大きく出る構造になっています。
💬 軽めインプレ所感
売上高$111.2B・EPS過去最高という数字だけ切り取ると「絶好調」としか言いようがないし、株主としては最高の内容ですね。
今回のカンファレンスコールで印象に残ったのは、その数字よりもTernusの登壇と、メモリコスト問題の率直な開示のほうでした。「6月以降も拡大する方向」という言い方は、かなり踏み込んでいます。
MacBook Neoはビンチップを使うことでローコストを実現しているという話は前にお伝えしたとおり。この構造があるので即完売というのは当然の結果とも言えるし、Mac miniやMac StudioのAI需要が「数カ月単位で需給が取れない」ほどの水準というのは、Appleが意図した以上にApple Siliconに需要があるということになります。ここでもAIトレンドを読みきれなかった=需要増を予測しきれなかったことが結果として出ていますね。
CEO交代については、「業績好調・ロードマップ充実・後継者準備完了」という状況下での絶好のタイミング。Ternusの「最もエキサイティングな時期」という言葉からは、期待と責任の重さも感じます。次は来月のWWDCか、、、。






