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Kuo:Appleの中国CXMTロビー活動。狙いは値下げではなくDRAM供給リスク管理


💬Ming-Chi Kuo氏が、メモリーをめぐるAppleのロビー活動と目的、背景をツイート。所感続き↓

アナリストのMing-Chi Kuo(郭明錤)氏が、AppleがホワイトハウスにCXMT(長鑫存儲)をエンティティリストから外すよう求めてロビー活動している「本当の理由」について、自身の業界調査をもとにXへ投稿しました。論点はメモリの価格高騰から、供給ギャップの拡大へ移っているという主張です。

AppleがCXMTのメモリ調達を要請——DRAM供給ギャップ

2026/6/29 Kuo氏の主張

念の為ですが、投稿はBloomberg報道やFinancial Timesの先行報道を踏まえたもので、Kuo氏自身の業界調査(industry checks)に基づく分析です。Apple一次情報ではありません。

ANALYSIS — via Ming-Chi Kuo(X / Medium・2026/6/29)・アナリスト見解

  • Appleへの圧力は「メモリコスト高騰」から「供給ギャップの拡大」へ移行している
  • 2026年に消費者向け電子機器に割り当てられるメモリ容量のうち、推定15〜20%が2027年にデータセンターへシフトする見込み(割合はさらに増える可能性)
  • LPDDR供給逼迫により、A20チップの2026年後半〜2027年Q1の実引上げ量は当初目標を10〜20%下回る可能性(一部はApple自身の過剰予約の反映かもしれない)
  • CXMTはIPO目論見書で、自社の生産能力が国内需要を大幅に下回ると明記している
  • ロビー活動が成功してCXMTからDRAMを購入できても、コストを大幅に下げたり供給ギャップを埋めたりはしない
  • 2022年のYMTC評価より積極的なのは、YMTCがNANDコスト低減の話だったのに対し、CXMTはDRAM供給リスク管理の話だから
  • Tim Cookはワシントンと北京の双方を渡り歩ける数少ないテックリーダーであり、CEO退任前に処理しておくのが賢明
  • 仮に実らなくても、市場には「Appleは試みたが米政策に制約された」という印象を与えることで、価格引き上げや納期延長への不満を和らげる助けになりうる

背景と各所の反応

この投稿は、Financial Timesが6月27日に報じた「AppleがCXMTのエンティティリスト追加を回避するよう米当局に働きかけている」という報道を受けたもの。

CXMTはペンタゴンの「1260H(中国軍事企業)リスト」に載っているものの、これ自体はApple の購入を直接ブロックするものではありません。ただし商務省のエンティティリストに追加されれば、より厳しい輸出規制の対象になります。

直近では、Appleが先週MacBook・iPad・HomePod等を値上げした(iPhoneは据え置き)ばかりで、メモリ・ストレージ供給の逼迫が理由として挙げられていました。

供給逼迫の長期化については、サプライヤー側も2027年以降への長期化を認めつつある点が、すでに各所で報じられています。

また、A20チップの引上げ量が目標を下回るという指摘は、同じKuo氏が伝えていたA20搭載iPhoneのRAM増量計画とも関わってきます。AI処理性能のためにメモリを積み増す方向と、そのメモリが逼迫している現実が、ここで交差します。

Micronへの影響は限定的との見方

市場では「AppleがCXMTから調達するとMicronに打撃」との懸念も出ましたが、これは過大評価だとする声もあります。CXMTが競合するのは主にDDR4・DDR5・LPDDRといったコモディティメモリで、HBM(広帯域メモリ)では少なくとも1世代遅れているとされます。Micronの成長はAI向けHBMに軸足が移りつつあり、コモディティDRAMでの競合とは市場が異なる、という整理です。

💬 軽めインプレ所感

ロビー活動が実らなくても、「ユーザーの不満を和らげる」という指摘は、その通りなんだろうし、経営者の選択として正しいけど、買うだけのユーザーからしてみれば、ちょっとイラッとしてもおかしくない。パフォーマンスと感じられるだけに。

しかしまあ、コンシューマー向けメモリの15〜20%が2027年にデータセンター用途に流れる、というのは、そんなものかと思う反面、数字的には生々しいですね。

では、いつまで続くのか。実は、僕も気になっていたので数日前にメモリ供給の見通しを調べました。メーカーの新工場スケジュールは:

SK Hynixの清州M15Xが2026年後半、龍仁クラスターが2027年、Samsungの平沢P5が量産2028年後半目標、Micronの日本ファブは2028年末まで本格稼働しない見込み。

そして、重要なのは「工場が建つ=すぐ供給が増える」ではないこと。有意な能力追加は2027年半ば〜2028年とされ、IDCやTrendForceも供給逼迫は2027年以降も続くと予想しています。

つまり、現時点での大半の予想は、2027年いっぱいは逼迫が続き、2028年以降に新工場が量産に乗ってようやく緩む可能性がある、というもの。Kuo氏が「2027年まで拡大」と言っているのは、この供給スケジュールと符合します。

逆に言えば、買い替えを急がないなら2028年以降を待つ手もある、ということになります。でも、その時点でAppleがすぐに価格を下げるとは思えないけどなあ。

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